2019年05月
5月11日(土)にJICA地球ひろばにて、当機構主催「学生だからこそできる国際協力とは〜国際学生交流プログラムやネパール地震復興支援を事例に〜」(外務省、JICA地球ひろば後援)を開催いたしました。この度も多くの方々にご参加いただき、大変感謝しております。
本イベントは全4部で構成され、第1部は司会を務める学生アシスタントリーダー大瀬朝楓から開会の挨拶とAAEEの概要についての紹介を、代表理事の関昭典から基調講演「学生主体の国際協力−SDGsグローバルパートナーシップとMero Sathiプロジェクト」を行いました。2015年4月に発生したネパール大震災から現在まで継続してきたMero Sathi プロジェクトを始めとする学生主体の国際交流活動の歩みを振り返り、学生ならではの活動や今後のAAEEの展望についてお話させていただきました。
第2部では、今年の3月に近畿大学の有志学生を中心に開催されMero Sathi プロジェクトの活動報告をしました。「ヤギ小屋プロジェクト Next Stage 」と題されたこのプロジェクトは、AAEEがこれまで取り組んできたネパール地震被災地域の貧困者の生活再建支援であるヤギ小屋プロジェクトを通して、従来より多くの利益をもたらし、その利益を学校に還元するという目的のもとにネパールのヌワコット郡にて3週間開催されました。
プレゼンターは、近畿大学国際学部3年の前本倫輝さんと他3名の参加者の方々。発表が始まると会場が明るい雰囲気になりました。ヤギ小屋完成までの進展と心の葛藤、現地の方々との交流を通して考えた「普通とは何か」の議論など、会場にいる皆様を巻き込みながらお話していただきました。
第3部は、2月に行われたMero Sathi プロジェクト「『幸せ』について考える旅〜日本とネパールの学生でとことん語り合う2週間〜」の活動報告を行いました。プレゼンターは、上智大学総合グローバル学部3年の佐久間彩果さん。プログラムのテーマでもある「幸せ」について、佐久間さん自身の心情の変化も絡めながら考察結果を話してくださいました。ネパール人にとっての幸せには「現状満足」「人とのつながり」「愛郷心」が根源にあり、調査結果から見えてきた日本人が考える幸せの根源の傾向と異なるという答えが導き出された点です。また、幸福な人は身近な幸せに気付くことができているのではないかという考察は、私たち自身が幸せについて見直す際の1つのヒントになるのではないでしょうか。
第4部は、AAEE学生アシスタント永島郁也より、ご来場の皆様と一緒にグループディスカッションを進めさせていただきました。テーマは「経済発展か、伝統的暮らしの尊重か」。
経済発展を促進させていくことは伝統的な暮らしに満足している人々にとって必要なことなのか、5−6人のグループに分かれて議論し、全体で共有し合いました。
どのグループもあらゆる立場から様々な意見が見られ、伝統的な暮らしを守るための経済発展のアプローチなど、ご参加いただいた皆様のおかげで大変有意義な議論が展開されました。結論として、AAEEからは「彼らにとっての幸せとは何か?」を問うことを提案させていただきました。彼らにとっての幸せ、それを知るために、交流や対話が重要な手段となるのではないでしょうか。
今回のイベントでは、AAEEのこれまでの学生交流活動やネパール大震災をきっかけに立ち上げたMero Sathiプロジェクトの経験を通して、学生だからこそできる国際協力について、ご来場の皆様と一緒に考え、議論することができました。イベントを通して、よりAAEEの活動について興味を持っていただければ幸いです。
またこの度、AAEE史上初めて、神戸のJICA関西にて同イベントを開催することが決定しております。首都圏だけでなく関西でも開催することによって、遠方の方もより身近にAAEEの活動を感じていただけるきっかけとなれば、幸いに思います。
この度、イベントをご後援くださった外務省、JICA地球ひろばの皆様、ご来場くださった皆様、施設提供を始めすべてにおいてご協力くださった皆様に心よりお礼申し上げます。今後とも、FacebookやホームページにてAAEEの活動を発信していきますので、皆様のご協力とご支援のほど何卒よろしくお願いいたします。