一般社団法人 アジア教育交流研究機構

アジア地域の学生の交流を推進し、我が国の若者のグローバル化に貢献します

AAEEとは

一般社団法人アジア教育交流研究機構

(通称AAEE: Asia Association of Education and Exchange)

Vision

アジア地域の学生交流・教育交流を促進し、多文化共生の時代に世界の若者と手を組んで歩んで生き抜くことのできる若者の育成を目指す。 

当機構はアジア地域の学生交流・教育交流を積極的に推進することを目的に2008年に発足。

昨今の多様性社会においては、日本が日本の枠組みの中で『外からの多様性を受け入れる』動きから、日本が世界と同じ水準を目指し『枠組みを飛び出し外へと志向する』動きへとシフトしている。自らの「Comfort Zone」から飛び出し、「ウチ」から「ソト」へ、世界に向かって挑戦する人材の育成を目指す。

AAEE Method

Mission

国、地域、文化の違いを超えて、我々が共通して抱える問題に他者とコミュニケーションをとりながら解決策を模索していく。     →そのための発想と行動力、他文化への寛容性を身につけていく。

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1.    他者に対する考え方の構築

・世界の人々が、同じ地球に生きる人間として国や民族の違いに関わらず共通した問題や関心ごとを持っていることを理解できる

・社会や個人の文化的背景によって問題や関心ごとに対する認識やアプローチ方法が様々であることを理解できる

・他者の中に自己との共通性を見出し、エスノセントリズムやナショナリズムに陥ることなく他者との共生を模索することができる

 2.    諸問題についての知識の習得(エネルギー、環境保全、貧困、ジェンダー、、、)

・問題の特性を理解できる

・問題が生じた背景、歴史、因果関係を理解できる

・問題が特定の地域や集団に特有のものではなく、世界共通のものであることを理解できる

・問題が情報革命によって世界中で共有されるようになったことを理解できる

 3.    問題解決へのアプローチ法の理解

・社会や個人の文化的背景が多様であることを理解できる

・問題に対する理解、認識、対策の仕方が多様なものであり、立場に応じて時に対立し合うものであることを理解することができる

・問題を解決するためには国、民族などの枠組みを超えて、世界中の人々が地球市民として連携して取り組まなければならないことを理解できる

・問題の解決が特定の専門家に委ねられたものではなく、学生を含め一般市民の積極的な取り組みが必要であることを理解できる

 4.    問題への認識、意見、対応策の考察

・疑問点や意見を積極的に述べ、他の学生と共同的に考察を深めることができる

・異なる意見を協議してまとめ、対応策を考察できる

・他の学生や教員、専門家とコミュニケーションをとりながら、多文化理解・共生、グローバリゼーションなどについて理解を深めることができる

 5.    多文化社会での他者との交流実践

・文化の多様性と共通性を理解した上で他者と円滑な交流をすることができる

・ステレオタイプ的な日本人感や日本人としての集団意識にとらわれずに世界の人々と交流することができる

・世界の諸問題について世界の人々と議論し、対応策を構築できる

 6.    まとめ

・それまでに得た知識、経験を活かし多文化理解、共生、グローバリゼーションなどについての自分なりの考え方を表明することができる

・プログラム終了後に多文化リテラシーを高めるための自らの行動、学習指針をまとめることができる

・地球共生市民としての自らの役割と行動指針を具体的に述べることができる

History

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Activity

★学生交流プログラム

AAEEの学生交流プログラムは、学生交流を通じて参加者の多文化理解能力、多文化間コミュニケーション能力、英語活動能力、英語学習動機づけなど、これからの国際社会を担う若者に必要な資質を高めることを目的とした教育事業です。2008年以降ネパール、インド、タイ、ベトナムなどアジア各国で開催しているAAEEの国際学生交流プログラム。近年では、ベトナムでVietnam-Japan Exchange Program (VJEP)とネパールでMero Sathi Projectが毎年開催しており、2012年以降、ベトナムでは9回、ネパールでは16回の計25回のプログラムを開催してきました。他にタイでも学生・教育交流活動を定期的に実施しています。        

参加者は、日本人の学生とプログラム開催国の学生によって構成されています。プログラム内容は、日本とアジアの学生が一定期間(平均2週間)寝食を共にし、参加者の多文化理解能力などを高めると同時に、将来国際社会で活躍する際に共同で取り組むパートナーになれるような深い友情を構築することを主眼としてきました。2008年に国際学生交流プログラムを初めて以降、現地学生との交流や現地住民との交流は欠かさず行なってきましたが、近年は学生交流にとどまらず国際協力プロジェクトや特定課題調査にも取り組み、両国の学生が協働でグローバルイシューを考え、信頼関係を構築させながら問題解決に挑んでいます。例えば、ネパールでは、ネパール地震発生直後から両国学生が主体となった復興支援活動に取り組んできました。ベトナムでは、SDGsに焦点を当て環境問題や教育問題に焦点を当てて議論してきました。2018年からは各交流プログラムにおいて特定課題調査を実施することで、両国の学生たちが地球上の諸問題について具体的に考えることを重視しています。具体的な活動内容はプログラムごとに毎回異なりますが、すべてのプログラムは参加者の希望を取り入れつつ、代表理事により理論的枠組みに沿って練られています。

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Mero Sathi Project

2015 年 4 月 25 日ネパールを大地震が襲ったのを機に、日本のAAEE学生が主体となって立ち上げた取り組みです。Mero Sathi(メロ・サティ)はネパール語で「私の友達」を意味しています。AAEEのアジアネットワークを駆使し、地震当日に世界最速でSNSで応援パネル作成し世界に発信したことで大反響を呼びました。本プロジェクトは名前のわかりやすさもあり、ネパール国内で広く認知されるようになりました。地震復興支援緊急プロジェクトとしては2017年半ばに一旦終了しましたが、国際友好プロジェクトとして継続してほしいという声が強く、2017年末に再開を決意。そこで現在は地震復興プロジェクトのみならず、ネパールにおいて実施される国際交流プログラムの名称として活用されるようになり、現地でも広く親しまれています。

 

★やぎ小屋プロジェクト

Mero Sathi プロジェクトによって集めた資金を活用した被災者+被災地復興支援プロジェクト。家も仕事を失った被災者のためにヤギ小屋と種ヤギを提供。家族はヤギを飼育、販売し利益を得る仕組みとなっています。AAEEネパールが仲介することにより、利益の50%は地域の教育支援に回す仕組みを構築しています。

 

★Team Mero Sathi

TMSはAAEEが2018年に立ち上げた中学校・高等学校へ出張授業を行う新プロジェクト。国内での啓発活動の一環として、過去にAAEEの国際学生交流プログラムに参加した講師が、プログラムを通して得た学びや経験・刺激、海外に対してのイメージや考え方についてなど講師が現地に行き、肌で体感したからこそ得られた気づきや発見を、これからさらに広い外の世界へ出ていく中学生・高校生に還元することを目的としています。今後は大学生を対象とした活動も行っていきます。

〈授業到達目標〉

中学生・高校生には、以下の目標に到達することを目指している。

(1)多様性の幅を広げること。また、その重要性を認識する。

(2)言語・文化の異なる人々との交流に価値を見出す。

(3)自分と異なる人(他者)の存在を意識する。

★A.A.E.E. NEPAL

 ネパールの首都カトマンズを拠点とする、2016年に設立した政府認定会社です。以下に設立の経緯を簡潔に説明します。

関代表理事は、2008年からネパールにて学生交流活動や教育支援活動に取り組んできました。その中でもっとも頭を抱えた問題が、ネパール国内の優秀な若手人材の外国流出でした。後発発展途上国であるネパールにおいては雇用の機会が圧倒的に少なく、熱心に学んだ優秀な大学生の多くが卒業後に職を得ることができません。そのため、学生は常に外国での就職や外国での就職の機会を狙っている状況です。                             

2015年、ネパールのとても指導熱心な大学教授(法務長官も務めた方)が「何とか優秀な人材をネパールに引き留めて国の発展に貢献させないと、この国はいつまでたっても発展しない」と力説する姿に感銘を受け、どうにか力になりたいと考えたのが会社設立のきっかけです。ネパールの学生が自国の教育の発展のために国内で活動できる場所を何とか作れないものかという思いが生まれ、構想を練りはじめました。それ以降地道に準備を続け、2016年11月にようやく政府認可をいただくことができました。ネパール国内の、主に教育分野における諸問題の分析と提言、ネパールの教育問題に関心を持つ海外の教育研究者との連携や学生の支援、学生によるイベントなどが主な業務内容です。代表であるSharad Kumar Sharma氏はその教授の教え子です。数々の国際大会で受賞経験がある逸材ですが、ネパール国内で弁護士資格をとりネパールの発展を目標に頑張って生活しています。その他A.A.E.E.NEPALメンバーは、若者中心の構成となっています。なお、会社設立に必要な資金はその多くを関代表理事が私費で担いましたが、今後ネパール人スタッフの自助努力を我々が見守る形で、何とか継続できるように支援していきたいと考えております。

活動実績

--国内 

2020年5月: 「多文化共生のウチとソト 〜心から心へ繋がる国際交流〜」(於JICA地球ひろば、外務省、JICA東京、JICA地球ひろば後援)

2019年12月: 「あなたの当たり前は当たり前じゃない〜ネパールで感じ、学ぶダイバーシティ」兼 2月ネパールプログラム説明会(於JICA地球ひろば、JICA地球ひろば後援)       

2019年11月: 「交流、友情、そしてグローバルパートナーシップ ―多文化共生時代の学生交流プログラム―」(於JICA地球ひろば、外務省・JICA地球ひろば後援)

2019年5月:「学生だからこそできる国際協力とは〜国際学生交流プログラムやネパール地震復興支援を事例に〜」(於JICA地球ひろば及びJICA関西センター、外務省・JICA地球ひろば後援)

2018年11月:「AAEE設立10周年特別企画!2週間完全密着型国際学生交流 私たちが挑戦した「グローバルパートナーシップ」への一歩」(於JICA地球ひろば、外務省・JICA地球ひろば後援)

2018年8月: Team Mero Sathi 第1回「Mero Sathi Project 学生たちの挑戦〜一歩踏み出せば世界は変わる〜」 (於JICA地球ひろば、JICA地球ひろば後援)

2018年6月: Mero Sathi Project 2018講演会 第2弾「ネパール支援活動からの学び〜日本の若者たちに望むこと〜」(於東京経済大学、東京経済大学関昭典ゼミナールと共催)

2018年5月:「AAEE設立10周年特別企画!−共に笑い、学び、共に感じる−学生だからこそできる国際交流と国際協力」(於JICA地球ひろば、外務省・JICA地球ひろば後援)

2017年11月:「アジア地域での学生交流 現地をみつめる、若者と共に考える〜想像から現実へ〜」(於JICA地球ひろば、外務省・JICA地球ひろば後援)

2017年7月:Mero Sathi Project チャリティー講演会、講師垣見一雅氏(於東京経済大学B102教室、東京経済大学 関昭典ゼミナールと共催)                

2017年5月:「SDGsから考えるアジアの若者と未来」(於JICA地球ひろば、外務省・JICA地球ひろば後援)

2016年12月:「SDGs, パートナーシップの輪を築こう〜14年後の持続可能な世界を目指して 〜」(於東京経済大学進一層館、外務省・JICA後援)

2016年7月:OKバジ(垣見一雅氏、ネパール支援家)講演会開催(於東京経済大学、東京経済大学関昭典ゼミナールと共催)

2016年6月:「JICA地球ひろば10周年記念感謝祭」にてセミナー開催(JICA地球ひろば)

2016年1月:「Mero Sathi Project報告会」(於東京経済大学進一層館、外務省・JICA後援)

2015年5月:「ネパール大地震緊急支援チャリティプログラム」(於JICA地球ひろば、外務省・JICA後援)

2014年11月:「若者よ、世界とアジアと交流しよう!」(於JICA地球ひろば、外務省・文部科学省・JICA後援)

2014年10月~2015年1月 「若者よ、世界とアジアと交流しよう!」連続講演会シリーズ(東京経済大学と共催)

 

--海外

2020年2月 Mero Sathi Project日本ネパール学生交流プログラム(ネパール各地)

2019年9月  ネパールー日本 国際学生サミット2019開催(テーマ、幸せと教育、於ネパール)

2019年9月: Mero Sathi Project日本ネパール学生交流プログラム(ネパール各地、東京経済大学関昭典ゼミと連携)

2019年8月: Mero Sathi Project日本ネパール学生交流プログラム(ネパール各地)

2019年8月: VJEP2019 ベトナムー日本学生交流プログラム(ベトナム。ホーチミン市及びビンフック省)

2019年2月:Mero Sathi Project日本ネパール学生交流プログラム(ネパール各地)

2018年9月: VJYE2018 ベトナムー日本学生交流プログラム(ベトナム。ホーチミン市及びファンティエット、

東京経済大学関昭典ゼミと連携)

2018年8月: VJEP2018 ベトナムー日本学生交流プログラム(ベトナム。ホーチミン市及びビンフック省)

2018年2月: Mero Sathi Project日本ーネパール学生交流プロジェクト(ネパール各地)

2017年9月: Mero Sathi Project 国際学生交流プロジェクト(ネパール各地、東京経済大学関昭典ゼミと連携)

2017年8月: VJEP2017 ベトナムー日本学生交流プログラム(ベトナム。ホーチミン市及びビンフック省)

2017年8月: Mero Sathi Project日本ーネパール学生交流プロジェクト(ネパール各地)

2017年2月: Mero Sathi Project 日本ネパール学生交流プログラム(ネパール各地)

2016年9月: VJYE ベトナムー日本学生交流プログラム(ホーチミン、東京経済大学と連携)

2016年8月: NJEP ネパールー日本学生交流プログラム(ネパール各地)

2016年8月: VJEP ベトナムー日本学生交流プログラム(ホーチミン及びダラット、ベトナム)

2016年2月: 日本―中国―ネパール学生交流プログラム(ネパール各地)

2015年11月: AAEE Mero Sathi セミナーin ホーチミン(ホーチミン、ベトナム)

2015年10月: ベトナムの国立大学国際交流セミナー (ホーチミン、ベトナム)

2015年09月: アジア学生交流プログラム2015(ネパール各地、東京経済大学関昭典ゼミと連携)

2015年08月: ネパール大地震緊急支援学生交流プログラム(ネパール各地)

2015年03月: ネパール水タンク設置&学生交流プログラム(ネパール各地、FIWCと共催)

2014年10月: 日本-ベトナム高校生サイエンス交流プログラム2013(ホーチミン、ベトナム)

2014年10月: バングラデシュ学校清掃プロジェクト2014 (ダッカ、バングラデシュ)

2014年09月 :VJYE ベトナムー日本学生交流プログラム(ホーチミン及びビンフック省、東京経済大学関昭典ゼミと連携) 

2014年08月: バングラデシュ 学生セミナー(ダッカ、バングラデシュ)

2014年03月: ネパール水タンク設置&学生交流プログラム(パルパ、ネパール)

2013年09月 VJYE ベトナムー日本学生交流プログラム(ホーチミン及びラムドン、東京経済大学関昭典ゼミと連携)

2013年03月 ネパール水タンク設置&学生交流プログラム(パルパ、ネパール)

2013年02月 ネパールー日本学生交流プロジェクト(ラムジュン、ネパール)

2012年02月 タイーネパールー日本学生交流プロジェクト(バンコク・タマサート大学、パルパ、ネパール)

代表メッセージ

関昭典(一般社団法人アジア教育交流研究機構代表理事、東京経済大学教授)

 AAEEの代表理事である関昭典東京経済大学教授は、多文化理解や外国語教育を専門とする教育・研究者です。近年は多文化間学生交流の場面における学生の心の変化や外国語学習動機づけなどに興味を持って活動しています。二十数年前から大学の正課授業、及び財団法人の海外研修指導をこなしており、これまでにカナダ、イギリス、オーストラリア、インド、ネパール、ベトナム、タイでの計35回の国際交流プログラム指導実績があり、タイ、ネパールでの居住経験もあります。なお、以下の東京経済大学公式サイトに、関代表理事の活動理念の一端が、分かりやすく紹介されています。
http://www.tku.ac.jp/interview_t/19.html

また、JICA地球ひろば公式ブログ掲載の関代表理事の以下の文章にもAAEEへの強い思いが込められています。

 

「人生における心の支え」

 

一般社団法人アジア教育交流機構

代表理事 関昭典

 

 「人生を生き抜くことってホントに大変だ・・・」最近つくづくこう思う。不安、葛藤、プレッシャー・・・。それでも「心の支え」があったからこそ、弱音を吐きながらも何とかこれまでやってきた。私の場合、心が疲れて身動きが取れなくなり、じっと横たわっているときに決まって頭に思い浮かぶのが、高校一年の夏にインドネシアで過ごした経験である。

 新潟の雪深い小さな町で育った私は、中学生時代まで外国や異文化とは無縁の生活であった。15歳まで、外国人を見たのはたった一度きり。東京にもほとんど行ったことがなく、電車で2時間離れた新潟市にすら怖くて一人で行くことも出来ない田舎者であった。

 そんな私が高校1年の夏にいきなりインドネシアにホームスティに出かけることになったのだ。これは自分から希望したものではない。前年に、先生に言われるままに、校内暴力で荒れた中学校で過ごした経験をスピーチしたのだが、図らずも全国大会で文部大臣賞を受賞してしまいその副賞がインドネシアだったのだ。

 外国を全く知らぬ私にとって、インドネシアと言われてもなんのことだかさっぱりわからない。友人と一緒に社会科の資料集を調べると、そこに唯一でていたのはジャングルの中にひっそりと建つジャワ島古代の「高床式住宅」。今と違いインターネットで情報検索できる時代ではない。あせった私は、3カ月間かけてジャングルで一か月生き延びる装備を準備した。友人からは方位磁石を餞別にもらい「生きて帰って来いよ!」と地元の小さな駅まで見送ってもらった。冗談みたいな本当の話である。ちなみにその日はロサンゼルスオリンピックの開会式の日であった。

 インドネシアのジャカルタに到着しあっけにとられた。ジャカルタはジャングルではなく大都会であった。そして到着したのが夜であるにも関わらず、外にいる人々の数が半端ではない。私の住む町と比較にならぬほど栄えている。さらに、日本語のまったく聞こえない世界。空港からのバス移動中、私はあまりのカルチャーショックに空いた口が塞がらなかった。

 ジャカルタと、世界遺産ボロブドゥール寺院で有名なジョグ・ジャカルタでしばらくホームスティしたが、今思えばあまりに恥ずかしいことばかり。例えば、インドネシアにはマンディという沐浴(シャワーのようなもの)の習慣がある。家庭内に水槽があって水が張られており、手桶で体にかけるのだ。しかし、日本式風呂以外を知らない私は素っ裸で水槽に入ってしまった。そしたら思いの他水槽が深くて溺れそうになり、大声で叫んでホストファーザーに救出された。また、ホストシスターの部屋に何気なく入ると、彼女は不思議な衣装を身にまとい不思議な動きをしていた。その姿を見て、驚きで頭が混乱し立ちすくんでしまったこともあった(当時、私はイスラム教はおろか、宗教について考えたこともなかった)。そして何よりも、伝えたいことはたくさんあるのに英語でうまく表現できず周囲の人々に迷惑をかけ何度も悔しい思いをした。

 それでも、このホームスティ・プログラムは夢のような日々であった。特に同世代の中学生、高校生との交流は生きている限り忘れることはないだろう。フィールドトリップで滞在した無人島で、拙い英語で満点の星空の下夜な夜な夢を語り合ったこと。歌って、泳いで大騒ぎしたこと。同じ年の女の子からラブレターをもらい有頂天になりながらも、その英語の意味がわからず英語習得を彼女に固く誓ったこと(その後2年間文通は続いたが自然消滅、笑)。二度と戻ってこない彼らとのかけがえのない時間。プログラムの終了が近づくに連れ、感動と辛さで涙が止まらなくなっている自分がいた。

 帰国後、私の行動は明らかに変化した。「世界はでかいぞー」と自分自身に言い聞かせ、英語や読書など、世界とつながれる学習に猛烈に取り組むようになった。また外国の友達を作る機会を必死に求めた。大学生時代には、節約を心掛けアルバイトで金を貯め、大学生協でローンを組んでアジア、アフリカに旅に出た。「待っていても何も起こらない」ことを知ってからは、留学生との交流行事を自分で企画した。高校教員になってからも、外国とつながれる機会にはすべて挑戦した。JICAの夏季高校教員派遣プログラム(ザンビア)にも応募し合格した。

 あの時にもし、インドネシアに行っていなければ、おそらく私の人生は全く違った方向に行ったであろう。少なくとも大学教員として多文化交流や外国語教育を研究、実践したり、AAEE,アジア教育交流研究機構を立ち上げ学生交流推進に携わったりすることはまずなかったであろう。

 人は困難に遭遇し身動きが取れなくなったとき、過去に積み重ねた感動を心の拠り所に生き抜いていけるのだと私は考えている。私は教育者として、出会った若者たちに人生を生き抜く支えになる感動を与えたいと常に考えている。ではこの私に何ができるのか。その答えがAAEE,アジア教育交流研究機構にあり、これこそが私のできる社会貢献、国際協力なのである。