2024年06月
2024年6月21日、アジア教育交流研究機構(AAEE)とベトナムのトゥ・ザウ・モット大学(TDMU)は共同で「The International Conference on Higher Education 2024」を開催しました。この国際学会のテーマは「地域社会の経済発展と人材ニーズに応える高等教育--各国の実践とベトナムへの示唆」とし、両国からの教育研究者が参加し、約60件にわたる論文が発表されました。これらの論文は、教育理論と国際的な政策事例を通じてベトナム高等教育の発展に対する新たな視点と提案を提供するもので、会議の成果はISBN付きの紀要として後日公開される予定です。
AAEE会長の関昭典教授(東京経済大学)は開会式で、TDMUとの国際学会の開催を大変喜ばしく思うと述べ、「本学会が日本とベトナム、さらには世界の教育発展に貢献する意義深い学術フォーラムとなることを目指している」と意向を示しました。また、学会の成功を契機に、両国の持続的な学術交流が今後も続くことを期待していると述べました。続いて「多文化共生時代の日本における学生教育の在り方」についての基調講演が行われ、グローバル化する社会での教育の重要性について理解を深めました。
学会の全体会では、大学が地域の経済、文化、社会に果たす役割に関する議論が展開され、多文化共生の課題や日本の若者の多文化力育成の現状、そして就職準備における課題が報告されました。その後の対話セッションでは、「学生の職業スキルの向上と就職市場への対応」をテーマに、企業が求めるスキルの変化やデジタル時代における大学と企業の連携の重要性について議論され、学生の国際就職機会やキャリア支援のあり方に関しても意見が交わされました。
午後の専門分科会では、高等教育の管理とガバナンス、地域経済発展におけるTDMUの役割、デジタル時代における学生の能力開発をテーマに、ベトナムと日本の事例を交えた具体的な議論が行われました。さらに、教育の質向上や国際化の影響、ブランド戦略なども取り上げられ、参加者は現代の高等教育が抱える課題とその解決策を共有しました。