2022年04月24日
2021年11月14日(日)14:00-16:30にAAEE アジア教育交流研究機構主催、外務省・JICA(国際協力機構)後援オンラインイベント「セルフリフレクションー他者を跳ね返りにして自分を知る」を開催いたしました。
本イベントは、同年開催された4つのプログラムの報告会と合わせて、参加者がイベントの報告やそれを通して得た考えなど多様なテーマから発表を行いました。下記では、発表について簡潔に報告させていただきます。
まずバングラディシュ×日本のプラグラムである「BJEP, Bangladesh-Japan Exchange Project 2021」からプレゼンテーションがスタートしました。BJEPは" Deep Culture(深層文化)"に着目し、交流会を進めDeep Cultureについて考えることで自他ともに見つめることをゴールにプログラムを開催しました。その結果、BJEPの参加者は「人と交流するときに必然的に生じる差を埋めるのがBJEPのプログラムである」と述べ、また「プログラムに参加し、相手国だけでなく自分の国の文化を知ることができた。新しい自分に出会うことができた」といったポジティブな感想が多く集まりました。BJEPを通じて得た学びは、本イベントのテーマであるセルフリフレクションに類似しており、その理由として対話を通じて他者と比較し自己理解につながるサイクルが出来上がっているからです。従って、BJEPではプログラムを通して多文化社会に必要不可欠な、自己の確立のために積極的に取り組んだプログラムとなりました。
次に、ベトナム×日本のプログラムである「VJYE2021- to the VJ island-」の活動報告です。本プルグラムは東京経済大学とホーチミン経済大学の学生がタッグを組んで取り組んだプログラムであります。前期は二週間に一回、後期は集中期間として一日五時間計七日間と長期にわたるプログラムとなりました。このプログラムを通してベトナムの学生のボランティア精神に感銘を受け、日本人学生は「人助けを導く行動原理」をセルフリフレクションのテーマとしました。日本のボランティア精神は、利己的協調主義であるといい、つまりは集団主義である日本だが人を助ける際は自己の利益と、安全を最も重視していると問題を提起しました。このようにセルフリフレクションし、国によって異なる人助け精神を学び・考えた学生は今後の展望を「自分の利益が他者にとっての幸せにもつながる、自分も他人も見捨てることのない和の行動」とし、セルフリフレクションの発表を終えました。
三つ目のプログラムは、夏休み特別企画「国内他文化共生定期勉強会」です。上記では、インターナショナルなプログラムであったものの本プログラムは国内に視野を向けた点が他とは大きく異なります。招いた多くのプレゼンターの話を聞き、自己と照らし合わせることで自然とセルフリフレクションしていたと発表者は言います。また、セルフリフレクションは他者と関わる際の姿勢に作用し、多文化共生の基礎である他者理解を助けることになるため、多文化共生にもポジティブな影響を与えると発表しました。
最後のプログラムは、インドネシア×日本のプログラム「SDGs Youth Exchange 2021 Indonesia×Japan- Learn! Challenge! Break! The Status Quo. 」です。AAEE史上初となるインドネシアの学生との交流は、SDGsに着目したアカデミック且つ豊富なアクティビティから成り立ったプログラムであります。インドネシアのBinus Universityと共同で行ったため非常に優秀な学生が多くピックアップされた結果、国際的な視野を元々持った人がほとんどでセルフリフレクションに至らなかったと話す参加者。その理由として、英語はネイティブ同然であり文化の差や難しさを感じさせない交流であり、それが反対に深い交流とは言いづらい要因となりました。このように、インドネシアの学生が持つ英語力や既にあるインターナショナルな考え方から大いにリフレクションはあったものの、自己理解につながるセルフリフレクションは少なかったと参加者は話しました。
夏に行われた四つのプログラムから、自分と異なるバックグラウンドを持つ人と交流する際に関心・尊敬で終わるのではなくそこから学び、自分と比較することでセルフリフレクションにつながるということが理解できる。全てのプログラムが全く異なるアクティビティやテーマで開催されたのにもかかわらず、リフレクション・セルフリフレクションがあったといことは他文化社会の実現にAAEEの活動が少しでも一助できたのではないかと考えます。
本イベントは、AAEEだけの力ではなく共催の東京経済大学関昭典ゼミナール、講演いただいた外務省、JICA(国際協力機構)の皆様、そして参加者のみなさま、多くの方々のご支援・ご協力があってこそお届けすることができました。本イベントに関わってくださった全ての方に感謝申し上げ、報告書とさせていただきます。